オーダーメイド生産設備、導入までの流れ
求人を出しても応募が集まらない、若手がすぐに辞めてしまう、地域の人口が減って採用そのものが難しい。こうした悩みを抱えながら、日々の生産量を何とか維持している工場は少なくありません。人に頼らず生産性を保つ方法として、オーダーメイドの生産設備や産業用ロボットの導入が注目されていますが、いざ検討しようとすると「何から手をつければよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、オーダーメイド設備の導入は、現状の課題整理から始まり、提案・設計・製作・導入・稼働後のフォローという流れで進みます。既製品を買うのとは異なり、工場ごとの設備配置や作業手順、生産量に合わせて一から作り込むため、各段階でのすり合わせが欠かせません。
この記事では、生産設備の導入を検討している方に向けて、相談から稼働開始までの具体的な進め方と、各段階で確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。あわせて、既製設備とオーダーメイド設備の違いも整理しますので、自社に合う選択肢を判断する材料としてお役立てください。
人手不足が工場に与える影響
求人難と離職の連鎖
製造業の現場では、求人を出しても人が集まらず、採用できてもすぐに離職してしまうという状況が続いています。特に単純作業や体力を要する工程は敬遠されやすく、人員の入れ替わりが激しいほど教育コストもかさみます。
その結果、限られた人員で生産量を維持しようとして残業が増え、さらに離職につながるという悪循環に陥る工場も見られます。
地域の過疎化という構造的な課題
都市部への人口流出が進む地域では、そもそも採用できる母数自体が減っています。たとえば栃木県足利市のような地方都市では、若年層の減少が工場の人材確保に直接影響しているケースも少なくありません。
採用活動を強化するだけでは根本的な解決が難しい場合、人に依存しない生産体制、つまり設備側で対応できる仕組みづくりが選択肢として重要になります。
既製設備とオーダーメイド設備の違い
それぞれの特徴
既製の生産設備は、あらかじめ用意された仕様の中から選ぶ形になるため、導入までの期間が比較的短く、コストの見通しも立てやすいという特徴があります。一方で、既存のラインや作業スペースに合わせて設備側を調整することが難しい場合があります。
これに対してオーダーメイド設備は、工場のレイアウトや生産品目、将来的な増産計画まで踏まえて設計するため、現場に無理のない形で自動化を進めやすいという利点があります。
| 比較項目 | 既製設備 | オーダーメイド設備 |
|---|---|---|
| 導入までの期間 | 比較的短い | 設計や打ち合わせに時間がかかる |
| 現場への適合度 | 汎用的な仕様 | 工場ごとの条件に合わせて設計 |
| 将来の変更対応 | 限定的になりやすい | 設計段階で拡張性を考慮できる |
選ぶ際の考え方
どちらが優れているというものではなく、生産品目の変更頻度や設置スペースの制約、将来の増産計画の有無によって適した選択は変わります。既存の課題を整理したうえで、自社にとって何が優先事項かを見極めることが大切です。
導入までの具体的な進め方
相談から稼働開始までの流れ
オーダーメイド設備の導入は、一般的に次のような順序で進みます。段階ごとに工場側と設計側のすり合わせを重ねることで、稼働後のトラブルを減らしやすくなります。
- ヒアリング:現在の作業工程や課題、人手不足が生じている箇所を確認します。
- 現場調査:設置スペースや既存ラインとの取り合いを実際に確認します。
- 提案・設計:課題に対する解決策として、設備の仕様や産業用ロボットの動作を設計します。
- 製作:設計内容に基づき、実際の設備を製作します。
- 設置・調整:工場に搬入し、動作確認や微調整を行います。
- 稼働開始・フォロー:実際の生産に乗せながら、必要に応じて改善を続けます。
各段階で確認したいこと
特にヒアリングと現場調査の段階では、現状の課題をできるだけ具体的に伝えることが、後の設計精度に大きく影響します。たとえば「特定の工程で毎回同じ作業ミスが起きている」「夜勤帯の人員が確保できず稼働が止まる」といった具体的な事象を共有すると、設計側も的確な提案をしやすくなります。
- 現在の作業工程を書き出せているか
- 人手不足が特に深刻な工程を specific に説明できるか
- 設置予定スペースの寸法を把握しているか
- 将来的な増産や品目変更の予定があるか
導入を検討する際に押さえたい視点
自動化できる範囲を見極める
すべての工程を一度に自動化しようとすると、投資額が大きくなりすぎたり、現場の運用が追いつかなかったりすることがあります。まずは負荷の大きい工程や離職の原因になりやすい作業から段階的に自動化を検討すると、無理のない導入につながります。
- 課題が明確な工程から優先的に検討する
- 既存スタッフの役割分担を並行して見直す
- 設計段階から将来の拡張余地を相談しておく
導入後に気をつけたいこと
設備を導入すれば、それだけで生産性が確実に向上するというものではありません。運用ルールの整備や、設備を扱うスタッフへの引き継ぎが不十分だと、せっかくの設備が十分に活かされない場合もあります。
- 導入直後は想定外の調整が必要になる場合がある
- 運用ルールの周知が遅れると現場が混乱しやすい
- メンテナンス体制を事前に決めておく必要がある
まとめ
オーダーメイドの生産設備は、現状の課題整理からヒアリング、現場調査、提案・設計、製作、設置・調整、稼働開始という流れで進みます。既製設備との違いを理解したうえで、自社の工程や将来計画に合わせて選択することが、無理のない自動化につながります。
人手不足や離職、地域の過疎化といった構造的な課題は、採用活動だけで解決するのが難しい場合もあります。設備側から生産体制を見直すことも、選択肢のひとつとして検討する価値があります。
当社は栃木県足利市を拠点に、産業用ロボットを活用した工場ごとのオーダーメイド生産設備の設計・製作に取り組んでおります。自社の状況に合った進め方を知りたい、という方は、まずは現状の課題をお聞かせいただければと思います。皆様のご状況に合わせてお話をうかがいますので、お気軽にご相談ください。

